ベイスポ2004年1月 日本人の食と住

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日本人の食と住

暮れから新年にかけて日本に行っていました。テレビを見たり街を歩いたりして気が付いたことは、「食べること」への関心の高さです。テレビでは料理番組はもちろんのこと、バラエティーでも美味しいお店やお料理の紹介が目白押しです。街に出かけていっても食事時ともなると人気のあるお店の前に行列ができます。またデパートの地下の食品街、いわゆる「デパ地下」には選び抜かれた名店が所狭しと店を出して味を競い合っています。甘いものが好きな私はついつい和菓子や洋菓子を買ってしまい、帰ってから食べてみるとどれもこれもほんとうにおいしくて、とうとう食道楽の里帰りになってしまいました。特にある洋菓子店の「時間限定」でしか売らないという「究極のチーズケーキ」はふわっととろけるような美味しさでした。アメリカのテレビでお馴染みの心理学者Dr.フィルによると、食べ物に囲まれている、という環境は脳に食べ物が常にインプットされるので、空腹でもないのに何となく食べてしまい、ダイエットにとっては最大の敵なのだそうです。こんなに食べ物が溢れている今の日本人は、よほど意志が強くないとダイエットなどできないのではないかと思いました。案の定ある調査によると日本でも肥満が増えてきており、人口の3分の1が太りすぎなのだそうです。

日本でもう一つ気になったことは、狭い場所にモノが本当に多い、ということです。うちは両親が戦中派でモノのない時代に育ったため、捨てる、ということができず、家の中のモノは行く度に増殖しています。モノが増えすぎて片付かなくて悩んでいる人が多いと見えて書店には「シンプル収納術」とか「整理術」といった本がたくさん出ていました。辰巳渚さんの「『捨てる』技術」によると、日本人が捨てたくてもなかなか捨てられないもののトップ3は、本、洋服、雑誌なのだそうです。いつか役に立つかもしれない、というどっちつかずの心理がそれらを捨てられなくしているのだそうです。本や雑誌について言えば、図書館やウェブで探すことができる情報はとっておく必要はありません。洋服は必要枚数を調べて、それより増やさないようにし、不要な洋服は寄付したり使い捨て布にしたりします。アメリカではガレージセールで処分することもできます。それ以外のものはゴミに出します。また私達日本人は食生活が多様なので、アメリカにいても洋食器だけでは足りずに、和食用の小鉢や取り皿など形や色もさまざまな食器を持つ傾向にあります。一番いいのは和、洋、中どれにも使える白いシンプルな食器を基本にして、普段用と客用を分けないことです。ただ思い出の品などもあって、なかなか実行しにくいですよね。

こうして見ると、日本はアメリカの豊かな消費文化を取り入れると同時に、日本的な伝統も維持しているため、生活の質も量も大きく膨れ上がってしまったようです。それが肥満した体型やモノがあふれた家に現れているかのようです。かつて福沢諭吉は文明開化と称して西洋文化をあれこれ真似る日本人を憂いて、西洋文化でまず真似るべきはその批判精神であり、ファッションや食べ物ではない、と言っています。西洋的な批判精神を持って、何が良くて何が悪いかをよく吟味して、いいものを良く考えながら日本に取り入れていこう、と主張しました。日本にいずれ帰る人もアメリカに帰化した人も、日本とアメリカの良いところを吟味して生活に取り入れていってください。

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